「コーラを飲むと、歯が溶ける」
「コーラを飲むと、身長が伸びにくくなる」
黒い液体に、強い炭酸。
いかにも骨に悪そうな印象があります。
「コーラを飲んでいると成長が悪くなる」などの話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
しかし実際のところ、コーラに歯や骨を溶かす作用はありません。
歯を溶かすには、強い酸が必要です。
コーラも酸性ではありますが、弱い酸性であるため、歯を溶かすほど強力ではありません。
飲むときも、コーラが歯に触れる時間は一瞬であるため、歯を溶かすことは考えにくいのです。
また、コーラに身長が伸びなくなる成分が含まれているわけではありません。
コーラが身長に悪いなら、コーラの消費量が多いアメリカ人は身長が低い人ばかりになるはず。
「コーラを飲むと歯が溶ける」「コーラを飲むと身長が伸びにくくなる」といった話は、俗説の範囲と考えていいでしょう。
では、コーラと身長はまったく無関係かというと、そうではありません。
コーラには、カフェインが含まれています。
少量であるため強い覚醒作用はありませんが、子どもの場合、わずかなカフェインでも強く反応する場合があります。
寝付きが悪くなったり、睡眠の質が低下したりなど、成長ホルモンの分泌に悪影響を与える可能性は考えられます。
また、コーラには、大量の糖分が含まれています。
350ミリリットルのコーラには、およそ40グラムという大量の砂糖が使われています。
「角砂糖10個分」と考えれば、どれだけ大量なのか実感できるでしょう。
水分補給としてコーラを飲んでいると、肝心の主食が食べられなくなり、栄養バランスを崩す恐れがあります。
身長とコーラは直接的な悪影響はありませんが、間接的な悪影響は考えられるため、飲み方には注意が必要です。