「反省しています」というセリフをよく聞くことがあります。
「申し訳ございません。反省しております」
「この件については深く反省しております」
「本当に反省の気持ちでいっぱいです」
反省とは、自らの言動を振り返り、自分が悪いことをしたとはっきり認めることをいいます。
自分の非を認めるときの定番のセリフですね。
「反省しています」というセリフには、ちょっとした落とし穴があります。
言うだけで終わりになっているケースが多いということです。
「反省しています」と言えば、それなりの体裁が整います。
素直で真面目な感じがあり、フォーマルな印象を出せます。
「きちんと認めた」「重く受け止めた」という感じが出ます。
「深く反省しています」を言えば、さらに重みが増すでしょう。
「反省しています」と言うだけで、実際には反省していないケースがあります。
社交辞令のような感覚になっている。
しかもそのことに自分でも気づいていないケースも少なくありません。
本人に悪気はなく、自分では反省しているつもりになっているため、ますます厄介です。
「反省します」は、反省していなくても言えるセリフです。
どきっとした人は要注意です。
「反省しています」と言うだけで終わると、再び同じ過ちを犯してしまいます。
いつの間にかうわべの言葉になっていることがあるため注意が必要です。
反省のふりでは反省になりません。
うわべの言葉を言うだけでは自己満足に終わってしまいます。
大切なのは「反省のふり」ではなく「きちんと反省をすること」です。
本当に反省しているなら「具体的な形」を示すのが得策です。
たとえば、反省文です。
古典的ですが、一番の基本です。
きちんと目に見える形にすることは極めて重要です。
反省文を書いているうちに、心にしっかり刻まれるでしょう。
反省の気持ちが心の奥まで響いて「もう二度としない」と思うはずです。
反省文を提出すれば、相手の感情も少しは収まるはずです。
システムの改善が必要なケースであれば、再発防止策も欠かせません。
トラブルを踏まえて、同じ過ちが繰り返されないよう改善を考え、再発防止策を発表します。
今すぐ再発防止策を提示できないなら、締め切りを設けます。
また再発防止策を考えただけで終わらないよう、適用実施の時期や方法も併せて発表します。
「○○月○○日までに○○を行います」と言えるようにします。
再発防止策の結果を、きちんと報告や公開します。
これが本当の反省です。
反省のふりで終わらないようにすること。
ひたすら具体的な形で示していくことに尽きます。