「おかげさま」という言葉があります。
「おかげさまで元気でやっております」
「おかげさまで仕事が順調です」
「おかげさまで両親とも元気に暮らしております」
日常でよく聞かれる決まり文句ですが、ときどき「おかげさま」の使い方を誤解している人がいます。
そのまま普通に考えると「あなたのおかげです」という意味に聞こえますが、ここがポイントです。
もちろん「あなたのおかげ」という意味も含まれていますが、この限りではありません。
「ありがたいこと」という意味も含まれているのです。
この点を知っているかどうかで、あなたのコミュニケーションは変わります。
安易に「おかげさま」と言えば、相手から「私は何もしていない」と思われそうですが、誤解です。
「ありがたいこと」という意味を表現しているだけです。
たとえば「おかげさまで元気でやっております」というセリフがあるとします。
「あなたのおかげで元気でやっております」という意味だけではありません。
「元気でいることができ、ありがたいことです」という意味もあります。
「おかげさまで仕事が順調です」というセリフがあるとします。
「あなたのおかげで仕事が順調です」という意味だけではありません。
「仕事が順調でありがたいことです」という意味もあります。
「おかげさまで両親とも元気に暮らしております」というセリフがあるとします。
「あなたのおかげで両親とも元気に暮らしております」という意味だけではありません。
「両親とも元気でありがたいことです」という意味もあります。
「おかげさま=ありがたいこと」と考えてください。
「おかげさま」とは、恩恵に感謝する言葉です。
この点を理解すれば「おかげさま」の活用範囲は広いことに気づけるでしょう。
「おかげさま」という言葉を積極的に使っていきましょう。
「あなたのおかげです」という意味で使うのではありません。
「ありがたいことです」という意味で使うのです。
むしろ「ありがたいことです」という意味のほうが、おかげさまのメインです。
恩恵に感謝する場面があれば、積極的に「おかげさま」という言葉を使っていい。
おかげさまの意味を正しく理解して、どんどん積極的に使っていきましょう。
素直な気持ちで恩恵に感謝することができます。
少なくとも相手を不快にさせる心配はないのですから、恩恵に感謝する場面があれば、遠慮なく使っていきましょう。
誤解を招く心配があるなら「おかげさま」の後に「ありがたいことです」と付け加えればいい。
たとえば「おかげさまで仕事が順調です。ありがたいことです」といった言い方です。
恩恵に感謝する意味が2重になりますが、強調になるので不自然な感じはありません。
くどい感じもなく、むしろ響きのいい一言に聞こえるでしょう。
おかげさまを使える場面は、日常生活の至るところにあります。
おかげさまが口癖の人に、性格の悪い人はいないのです。