問題の答えは、どこにあるのでしょうか。
私たちが問題の答えを見つけようとするとき、問題の「周辺」に目を向ける傾向があります。
ヒューマンエラーが発生したら「仕事を担当した人に問題がある」と考える。
体調を崩したら「職場に問題がある」「ストレスの多い環境に問題がある」と考える。
問題は、あくまで問題です。
そのため問題の解決策も、問題の周辺にあるだろうと考える傾向があります。
もちろん問題の周辺に答えがあることもありますが、その限りではありません。
いくら考えても答えが見つからないなら、視点を変えてみましょう。
問題の「周辺」ではなく「中」に目を向けるのです。
「答えは問題の周辺にある」と思い込んでいる場合、問題の中の確認を見落としていることが少なくありません。
たとえば、ヒューマンエラーの対策です。
業務中にヒューマンエラーが発生すれば、改善が必要です。
「ヒューマンエラー」という名前のとおり「人」に問題があるように思えます。
人を交代させたり、教育を強化したりすれば解決するだろうと考えますが、ここが落とし穴です。
いくら人を交代させても、人であるかぎり、うっかり間違えることがあるでしょう。
いくら教育を強化させても、時間が経てば忘れるでしょう。
人であるかぎり、不注意が起こるのは必然の法則です。
もちろん人や教育に問題がある可能性もありますが、その限りではありません。
視点を、問題の周辺ではなく、中に向けてみます。
間違いやすいプロセスがあるのかもしれません。
見落としやすいシステムだったのかもしれません。
ヒューマンエラーを起こしやすいシステムなら、ヒューマンエラーが起こって当然です。
人や教育の改善より、システムを見直すほうが、根本的な改善につながります。
そうすれば、人や教育に関係なく、確実にヒューマンエラーを防げます。
体調を崩したときも同じです。
体調を崩したら「職場に問題がある」「ストレスの多い環境に問題がある」と考える傾向があります。
もちろん職場や過剰なストレスに問題がある場合もありますが、その限りではありません。
そもそも本人の健康意識が低く、生活習慣が悪くなっている可能性もあるでしょう。
暴飲暴食が多い生活なのかもしれません。
運動が嫌いで、運動不足になっているのかもしれません。
毎日夜遅くまでゲームをして、睡眠不足になっているのかもしれません。
食事・運動・睡眠に無関心で、不摂生な生活を送っているなら、体調を崩しやすいのも当然です。
健康意識を高め、生活習慣を改めます。
有酸素運動や無酸素運動で体を鍛え、栄養バランスの取れた食生活を心がけ、睡眠時間を十分に取ります。
食事・運動・睡眠を整えることで、体調不良の根本的な改善につながるでしょう。
答えを探すとき、問題の周辺ばかり見ないことです。
問題の周辺を探しても答えが見つからないなら、視点を変えて、問題の中を見ることが大切です。
問題の中に、答えがあるのです。