化粧品売り場で「弱酸性」と表示されている化粧品を見かけることがあります。
簡単な説明を読んでみると「肌に優しい」と書かれている。
抽象的な説明です。
肌によさそうなのはわかりますが、どういう理屈でいいのかわかりません。
この弱酸性とは、どういう意味なのでしょうか。
私たちの肌は弱酸性です。
なぜ肌が弱酸性であるかというと、菌の繁殖を抑え、保護する意味があるからです。
肌のペーハー値は6前後であり、菌から守る働きがあります。
一方、洗顔料は、弱アルカリ性が一般的です。
洗顔料によってペーハー値は異なりますが、7から9くらいです。
石鹸は、もう少し強いアルカリ性であり、ペーハーは10前後です。
シャンプーもボディーソープも、弱アルカリ性が定番です。
肌は弱酸性であるにもかかわらず、なぜ弱アルカリ性を使っているのかというと、角質を効率よく取り除くためです。
弱酸性の角質は、弱アルカリ性に触れると、中和反応が生まれます。
この中和反応によって、角質が剥がれ落ちやすくなるのです。
弱アルカリ性が肌にダメージを与えるとはいえ、角質を適度に取り除くために必要な刺激です。
きれいに角質を取り除くなら、弱酸性より、弱アルカリ性が好ましいのです。
特に肌に問題を抱えていないかぎり、弱酸性をうたう化粧品は、考慮しなくてもいいでしょう。
では、弱酸性の洗顔料がどういう人に役立つのかというと、乾燥肌や敏感肌の人です。
角質を効率よく取り除くことができる弱アルカリ性では、刺激が強すぎます。
できるだけ刺激の小さな洗顔料が求められ、弱酸性の洗顔料なのです。
肌と同じペーハーの洗顔料を使うことで、乾燥や炎症を抑えながら顔を洗えます。
乾燥肌や敏感肌にとって「肌に優しい」というわけなのです。